新樽を一切使用しないクラシカルなスタイル
1962年創業の蔵元ルネ・ルクレールは、弟の蔵元フィリップ・ルクレールと共に、日本でも早くから知られるジュヴレ・シャンベルタン村の有名な蔵元ですので、ご存知の方も多いことでしょう。新樽を多用したスタイルが特徴である、弟フィリップのワインに対して、新樽を一切使用しないルネ・ルクレールのスタイルは非常にクラシカルな印象で対照的な魅力と言えるでしょう。現在、ワインづくりはすべて息子の手に
蔵元は、このジュヴレ・シャンベルタン村のみに、10haの畑を所有しており、赤のみ、リージョナルクラス1銘柄、村名2銘柄、一級4銘柄、特級1銘柄を生産しています。現在では、息子であるフランソワ・ルクレールが蔵元を継承し、全てのワインは彼の手で生み出されています。また、多くの蔵元同様に、相続問題があるため、現在既に段階的な相続が行われており、ラベルにはフランソワ・ラベルとルネ・ラベルのが存在していますが、これはそれぞれ区画違いで、造り分けられているものの、全てフランソワが栽培から醸造までを手掛けています。各区画ごとに仕込まれるワインは、それぞれの個性がはっきり
先にも述べた通り、蔵元ではACブルゴーニュはおろか、特級グリオット・シャンベルタンですら、新樽を使用しないという徹底ぶりで、これは父親ルネ同様にフランソワにしっかりとそのフィロソフィーが継承されています。
そのため、新樽を購入した際には、他の蔵元へ樽を貸し出して、一年使い込まれたものを戻してから使用するなど、徹底していることに驚かされます。
こういったワイン造りもあり、各区画ごとに仕込まれるワインは、テロワールをしっかりと感じることができ、そして年号による味わいの違いも、はっきりと感じることができます。また、ワイン造りに於いて、清澄や濾過処理を殆ど行うことなく仕込まれており、その味わいにはしっかりとした複雑さと奥深さを感じることができます。栽培に於いては、有機栽培の認証などは取得する予定はないようですが、かなり有機的な栽培がおこなわれており、見せてもらった畑を見る限りではかなり有機的なアプローチがなされていることを実感させてくれます。