ワインコラム
Chablis「シャブリ」に関する基礎知識
シャブリと言えば、フランス産白ワインを代表する銘柄であり、一頃はレストラン等でも必ずといってよいほど注文される抜群の知名度と人気を誇っていました。また「牡蠣とシャブリ」の組み合わせは、マリアージュの王道として多くの方がご存知だと思います。
しかしシャブリと名のついた紛い物(一昔前のアメリカ産シャブリなど…)や、大量生産された個性の薄いワインが多く出回るにつれ、その名声は下降の一途を辿ることに。さらには流行からも取り残され、最近ではシャブリと聞くと「酸が強くて薄い」「初心者用の白ワイン」と敬遠する方も少なくないようです。
そんなシャブリを取り巻く現状は、ワイン好きにとっては悲しい話です。そこで今回はシャブリの基本を再確認し、今一度その魅力について考えてみたいと思います。
生産地
シャブリの生産地はディジョンの北西、ヨンヌ県オーセロワの程近くに広がります。他のブルゴーニュ地方に比べてかなり北に位置しており、葡萄は冷涼な気候の下で栽培されています。
土壌
シャブリをシャブリ足らしめているのは、その特殊な土壌です。キンメリッジと呼ばれる先史時代の牡蠣の殻で出来たユニークな石灰系粘土の冷たい土壌がそれです。この土壌が冷涼な気候と結びつき、シャルドネ種にフリンティーと表現される鉱物的なミネラルとシャープで切れのある酸、そして燻したような風味を付与するといわれます。
格付け
シャブリの格付けは上位から順にシャブリ・グランクリュ、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ、プティ・シャブリの4等級。その格付けは日当たりと傾斜、土壌の構成を元になされています。実際グラン・クリュはスラン川に面した日当たりの良い南斜面に位置しており、その土地の優位性は地図を見ただけでも明らかです。最上のシャブリは優に10年の熟成を必要とする、力強さと貫禄を備えたワインとなります。
スタイル
最もはっきりと違いが生まれる要素は、醸造時の容器でしょう。ステンレス・タンクを用いると、クリーンでニュートラルな味わいになり、樽を使用すると色調や甘香ばしい風味、タンニンなどの複雑性が加わります。使用する樽も新しい小樽からある程度使い込んだ大樽まで、そのタイプは多岐にわたりそれぞれ異なる作用をもたらします。一般的により成熟した果実、つまりグラン・クリュのものほど樽を使用する傾向にあるようです。またマロラクティック醗酵の有無も重要です。この技術は酸を和らげる為、穏やかな飲み口をもたらしてくれます。
大まかではありますが、シャブリの基本を各項目ごとにご紹介しました。このように一口にシャブリといっても、畑や生産者によってそのスタイルは様々。しかし優れたワインからは、シャブリしか持ち得ない圧倒的なミネラル感と見事な酸が共通して感じられます。現在は全体的に価格も落ち着いており、非常にお値打ち感がありますので、この機会にお気に入りの生産者を見つけてシャブリの素晴らしさを再認識してみてはいかがでしょう。
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